夢を掴むために:涙と共に歩んだ日本への道
小さな頃から、私の心にはひっそりとした夢がありました。
日本へ行くこと。
テレビの画面越しにしか見たことのない日本。
雄大な富士山、優雅に舞う桜の花、そして音速で駆け抜ける新幹線。
私は心に誓いました。
「いつか必ず、日本の地に立つ。」
その日から、私は情報を集め、夢への道を一歩ずつ探し始めました。
どんな小さなチャンスも見逃さず、努力を重ねました。

そしてある日、運命のように一つの出会いがありました。
日本での技能実習のチャンス。
私は迷わず、その提案を受け入れました。
しかし、家族や周囲の人たちは心配し、信じてくれませんでした。
「それは本当なのか?」「騙されているのではないか?」
そんな声も聞こえました。
それでも私は前を向きました。
夢を諦めるわけにはいかなかったからです。
厳しい選考試験が始まりました。
自信に満ちた他の受験者たちを前に、私は不安と戦いながらテストを受け続けました。
「私にできるのだろうか…」
そう思いながらも、私は自分を信じて祈り続けました。
そして、奇跡のような知らせが届きました。
「面接に進めます。」
喜びのあまり、涙が溢れました。
これまでの努力と祈りが、確かに届いたのだと感じました。
家族にもすぐに伝え、心からの応援をお願いしました。
面接の前日、私は最後の準備に追われました。
正装がなく、恥ずかしさを感じながらも親戚にスーツを借りました。
「この努力は、必ず報われる。」
そう自分に言い聞かせながら。
面接当日、バイクに乗って慎重に面接会場へ向かいました。
早めに出発し、渋滞を避け、心を落ち着けようと努力しました。
到着すると、まだ少ない受験者たちの中で静かに順番を待ちました。
ついに、私の名前が呼ばれました。
胸が高鳴り、足が震えそうになりながらも、背筋を伸ばして歩きました。
面接室には、鋭い目をした面接官たちが待っていました。
彼らは、私の中にあるすべてを見透かすような視線を投げかけました。
日本についての知識、文化への理解、志望動機──
次々と質問されましたが、準備してきたことが力に7なりました。
そして、最後の質問が私を驚かせました。
「日本人女性について、どう思いますか?」
ふと、幼い頃に観た「おしん」の姿が脳裏に浮かびました。
苦しくても、決して諦めない強く美しい女性。
私は、全力で「おしん」の話を語りました。
面接官たちの表情が少し緩み、私は手ごたえを感じました。
面接が終わり、結果を待つ日々が始まりました。
夜には、心はすでに日本へ飛んでいました。
満開の桜、澄んだ空気、新幹線の音──
夢見ていた光景が、目の前に浮かびました。
そして、ついに電話が鳴りました。
手が震える中、受話器を取りました。
「合格です。」
もう、涙は止まりませんでした。
この努力、この想いが報われた瞬間でした。
実は、私が持っていた日本語能力試験N3の資格が大きな決め手になったと聞かされました。
それを聞いて、これまでのすべてが間違っていなかったと心から思いました。
その後、必要書類やパスポートを急いで用意しました。
ただ一つ、心に引っかかることがありました。
私はまだ大学を卒業していなかったのです。
悩んだ末、大学に相談し、休学を許可してもらえました。
「帰国後、また学びを続けなさい。」
その言葉に、また一つ背中を押されました。
そして、旅立ちの日が近づきました。
出発前夜、私は静かに家の中を歩き回り、
一つ一つの思い出を胸に刻みました。
明日、この家を出て、日本の地に立つのだと。
父も、遠く田舎からわざわざ私を見送りに来てくれました。
いよいよ出発の日、仲間たちと空港に集まりました。
笑顔と涙が入り混じり、言葉にならない想いが胸を締め付けました。
「3年間、必ず成長して帰ってくる。」
そう心に誓いながら、私たちは抱き合い、涙で別れを告げました。
人生初の飛行機。
飛行機が滑走路を駆け上がるとき、恐怖とワクワクが入り混じりました。
高度30,000フィートを越え、ついに──
私は、夢見た日本へ到着しました。
関西空港に降り立った朝、
肌に触れる日本の空気に、静かに涙がこぼれました。
これは、終わりではない。
ここから、本当の夢の始まりだ。
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