その日の昼、ついに私たちは広島に到着しました。
広島——それは、これまで歴史の授業でしか聞いたことのない名前でした。
私たちの先生が何度も口にしていたこの都市の名を、私たちはようやく自分の目で見て、肌で感じることができたのです。本やスライドの中の話ではなく、今ここに立ち、自分自身の物語が始まろうとしていました。興味深いことに、「広島」という名前は、インドネシア人にとってもよく知られています。
日本に来たことがない人でも、一度は耳にしたことがある街の名。ですので、「広島に住んでいます」と伝えると、すぐに理解してくれるのです。
場所の説明に苦労することはほとんどありませんでした。
その日は少し暑く、私たちは到着してすぐに会社のエリアへと案内されました。
そして、会社の数名のマネージャーとご挨拶をしました。
聞き慣れない名前が多く、最初は少し緊張しました。私たちはこれまで「山田さん」「田中さん」「渡辺さん」などの名前をよく耳にしていましたが、その日出会ったのは「宝来さん」「分部さん」「水谷さん」など、新鮮な響きの名前ばかりでした。
しかし、皆さんとても親切で、すぐに打ち解けることができました。
その日のうちに、工場内を案内していただき、これから私たちが働く予定の現場を見学しました。
自動車ほどの大きさの機械が高速で動いている様子に驚きました。それらの機械はとても高度で、正確に動いており、工場全体が効率的に機能している印象を受けました。
また、作業員の方々はあまり多くを語らず、静かに、しかし非常に集中して仕事をしていました。中には年配の方も多くいらっしゃいましたが、皆さんとても機敏で、熟練の技術を感じました。そんな光景を目の当たりにして、私も早くその一員として働きたいという気持ちが強くなりました。「よし、自分も頑張ろう!」という気持ちでいっぱいになりました。与えられた仕事をしっかり覚え、会社の役に立てるよう努力しようと心に誓いました。
さらに、社長から直接お話をいただけたことも、大きな励みになりました。
社長は、私たちに「早く環境に慣れ、仕事の内容をしっかり覚えるように」とアドバイスしてくださいました。その言葉は、これからの私の行動指針になると思います。
こうして、私たちの広島での生活が始まりました。
これは単なる仕事の話ではなく、自分自身の成長のための旅です。日本の働き方や文化を学び、そして何よりも、自分をもっと高める機会だと思っています。歴史で学んだ街「広島」が、今では私たちの物語の舞台となりました。
ここから始まる一歩一歩を大切にしながら、前向きに頑張っていきたいと思います。